量的緩和・量的引き締めは、市場の転換点の1つ

資産運用を始めたばかりの人は、市場環境を考慮せず焦って大きな資産を動かしてしまいがちです。
大きな資産を動かす場合は、しっかりと市場の動向を踏まえて判断しましょう。
市場の動向を把握する上でFOMCで発表される金融政策も重要な指標です。
この記事では、FRBが行う金融政策の1つ「量的緩和(QE)」について解説します。
※投資は自己責任ですので、あくまで参考程度で。
私の投資成績については、こちらをご覧ください。
量的緩和(QE)とは

量的緩和には、主に2通りの資金供給方法があります。
(1)FRBが金融機関(銀行など)が保有している国債を買い上げ、FRBの準備預金を金融機関に供給する
(2)FRBが金融機関(銀行など)から国債を新たに購入し、市場に資金を供給する
(1)は、FRBは、金融機関の国債の購入に準備預金を使用します。
(準備預金:銀行が必要な資金を支払えなくなった場合のために蓄えておく、銀行自身の預金のようなもの)
(2)は、FRBが新しく国債を購入することで市場に資金を供給します。
FRBの資産が拡大するため、バランスシートの拡大とも言われたりします。
もともとは、FRBは政策金利の調整で景気をコントロールしていましたが、
2008年のリーマンショック時に政策金利の引き下げだけでは支えきれなくなり、この量的緩和を発動しました。
ちなみにこの量的緩和は、日銀が先進国で初めて発動した新しい政策です。
そのため、歴史が浅く実体経済への影響については様々な意見があります。
量的緩和(QE)のメリット
投資活動、企業への融資を促すことができる

金融機関や市場に資金を供給することで、投資活動を促し株式市場を下支えできます。
また、企業への融資についても金融機関は、積極的になり急速な業績悪化の影響での倒産など
リーマンショックやコロナショック級のアクシデントがあっても、株価の回復を促すことができます。
株式市場の急回復により、個人投資家が利益を得やすい

金融緩和は、市場へ資金を供給し株価を回復させようとFRBが打ち出している政策です。
そのため、下値で買えた個人投資家の中に億り人生まれてTwitterが盛り上がるなんてよくある話です。
FRBが市場全体にそういう動きをするようにしますよと方向性を打ち出しているので、
ここに乗ることができれば大きく利益を伸ばすこともできます。
コロナショック後の量的緩和でどれほどの恩恵があったかは、皆さんもご存じの通りです。
量的緩和(QE)のデメリット
量的引き締め局面で大きな経済的痛手を負う可能性がある

量的緩和は、2001年に初めて実行された比較的新しい金融政策です。
アメリカは、2008年のリーマンショックから段階的に量的緩和を実施していますが、量的引締めが本格的に行われていないため
実際どれぐらいの痛手を負うものなのかは、想像の域を出ません。
2022年からFRBは金融引き締めの必要性をFOMCで訴えており、本格的な下落相場がここから始まるという声が多いです。
世界最大の市場と言われる米国株式市場が長期低迷した場合は、世界経済への影響はかなり大きいと思われます。
過度なバブル相場を誘発する危険性がある

株式市場に資金を大量に供給するということは、株価や不動産価格のバブル的な上昇を誘発する恐れがあります。
株価のPERが高い企業がさらに高いPERになるなんて異常事態がコロナバブルで多発していたのは、市場に資金が溢れていたからでもあります。
バブル相場というのは、上がった分以上に下げる危険があるため、長期投資においても考慮すべきリスクとしてとらえます。
例えば、金融相場の時にリスク資産に投資した場合は、この量的緩和の動向についても注視しましょう。
まとめ

いかがだったでしょうか、
量的緩和政策は、リーマンショックでのダメージを回復させるために初めて実行された政策です。
その後、本格的な量的引き締めができないまま、2020年のコロナショックが発生し、さらに量的緩和が推し進められました。
コロナバブル後に加速的に株価が下落しているのは、この量的緩和のダメージも関係していると個人的に考えています。
歴史的な大暴落、長い不況がこれから起きても不思議ではない状況です。
その状況だということを頭に入れてから、投資計画をするだけで将来のリスクはかなり減ると考えています。
※投資は自己責任ですので、あくまで参考程度で。
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皆さんの参考になれば、幸いです。
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